こんにちは。つきねこです。
私は、ミュージカルをきっかけにエリザベートにハマりました。
1992年の初演を皮切りに再演に再演を重ねているミュージカル『エリザベート』は
定番ミュージカルの1つとなっています。
でもなぜここまで人気のミュージカルになったのでしょうか。
この記事では、
エリザベートがなぜ人気なのか、考察します。
チケットが全然とれないけど、エリザベートはなぜ人気なの?
そんな疑問を持っている人は参考にしてみてください。
ミュージカル『エリザベート』とは
エリザベートは、オーストリア皇妃エリザベートと、彼女の人生につきまとう「死」を擬人化したトートとの物語です。
19世紀末絶世の美女と呼ばれたエリザベートは、皇帝フランツ・ヨーゼフに見初められて結婚。
田舎娘が皇后になるという、おとぎ話のような結婚でした。
ですが、堅苦しい宮廷生活になじめず、姑とも確執を抱えていました。
少女の頃にエリザベートに一目惚れした「死=トート」がその人生に寄り添います。
そして、最後は愛するようになる、という物語。
かなりざっくり紹介しました。
詳細は下記でまとめたので、参考にしてください。
エリザベートはなぜ人気?人気が続く理由を考察
エリザベートはなぜ人気なのでしょうか?
宝塚、東宝、ウィーン版を観て、CD、Blu-rayを買いあさった私の考察です。
- 日本人に人気のヨーロッパ王室もの
- トートの存在
- エリザベートの生き方に共感
- 楽曲
- 滅びゆくものの美しさ
- 二面性
理由1:典型的なヨーロッパの王室ものであること
豪華なドレスに、お城、華やかな家具。
日本人が昔からあこがれる「ヨーロッパの王室もの」であることが人気の理由の一つだと考えられます。
現実ではない夢の世界で紡がれる美しいお姫と王子の愛の物語。
女の子の憧れ要素が全部そろっているんです。
『ベルサイユのばら』などのように、ヨーロッパの王室もの、
豪華なドレスのお姫様のお話になじんでいたので受け入れやすかったのだと考えられます。
理由2:「死=トート」の存在
エリザベートにハマった人は、私もそうだったんだけど、
どちらかから入っている人が多いです。
・宝塚版で男役トップスターのトートがかっこよすぎた!まじでこの世のものとは思えん。
・東宝版で俳優さんのトートにハマった!ロン毛たまらん!
日本版は黄泉の帝王トートとして、死後の世界に君臨します。
耽美で妖艶で、ダークな世界観にハマるのです。
エリザベートに執着し、つきまとう…寄り添うのも一途な感じがしてたまらないとも言えます。
入口はミュージカル
そしてトートが魅力的すぎる。
気づいたらエリザベートについて検索しまくり、
本を探し、CDやらDVDやらを買いあさり、
ついに原語で聞きたい、ドイツ語の本でエリザベートのことを知りたいようになり、
気づけばドイツ語専攻になってた……
エリザベートについて知りたくてたまらん状態になっちゃった
のが私です。
ウィーン版ですが、こちらのトートもかっこいいのです。
ロックスターのような、というト書きがあるそうだけど、
まったくその通り。
エネルギッシュで生気と力にあふれています。
日本版では、黄泉の帝王としてかなりゴージャスになっています。
宝塚らしさというか日本人好みの華やかさになっているので、
そのイメージで観るとあれ?と思うかもしれないですが、
白スーツのトート、ぜひ観ていただきたい。
理由3:エリザベートの生き方に共感
年上の人たちだと、ロミー・シュナイダーのシシィ3部作映画でハマった、という人が多いようです。
今見ると、映像ははっきり言って古いんだけど、それを忘れるくらい引き込まれます。
この映画の大ヒットでエリザベートのイメージが形作られたといっていいでしょう。
映画を知らない世代だと、宝塚で初演されたときは、
エリザベート?誰やねん状態だったようです。
エリザベートは19世紀末、ヨーロッパ随一の美女と呼ばれました。
当時の写真や肖像画が残っているので、その美しさは現在にも伝わっています。
皇帝との結婚は当初姉が相手の予定だったのですが、
皇帝は姉ではなく妹のエリザベートを見初めます。
当時珍しい恋愛結婚でした。
おとぎ話のような結婚でしたが、
宮廷は古いしきたりが残っていてエリザベートは自由を奪われ、
苦しみます。
姑は嫁いびりをするし、夫は義母の味方。
シンデレラストーリーのその先をみるようですね。
そして、自由を求めて旅から旅へと彷徨います。
「自分は自分だけのもの」
お人形のような人生は耐えられない、私の人生は私が決める。
エリザベートが自我に目覚めるアリアはこのミュージカルのテーマです。
女性として、伝統的な家父長制の元で、男子を産むようにというプレッシャーや、
嫁姑問題の悩み、家庭や世間から我慢を強いられ抑圧されている状況から、
自由を求める、その姿が、とくに女性たちの共感を呼んだと考えられます。
理由4:楽曲
作曲はシルヴェスター・リーヴァイ。
一度聴いたら耳に残る楽曲の数々。
同じメロディーの曲を違う場面で使ったりと構成も見事です。
難曲も多いですが、
「この曲をこの人で聞きたい」
ファンがそう思うほど、楽曲が魅力的です。
理由5:滅びゆくものの美しさ
退廃的なもの、滅びゆくものの美しさを理解するのは、日本人にとって難しいことではありません。
平家物語に勧進帳…
滅びゆくものを描いた名作は数えきれません。
ウィーンといえば、華やか、絢爛豪華でワルツの調べのような明るいイメージですが、
エリザベートの生きた19世紀末は、ハプスブルク帝国が崩壊へと向かっていく落日の日々でした。
対外的には戦争に敗北し続け、内部からは独立の機運が高まっている。
帝国は息も絶え絶えな状況です。
栄華を誇った帝国が滅びていく様を描いているというのも人気の一端だと思います。
また「死」の存在とも関わりますが、
理由6:二面性
エリザベートは二面性を見せるミュージカルです。
少女時代のエリザベートは「生」、トートはもちろん「死」ですが、
ウィーン版のトートは若く、エネルギッシュな「生」の姿で表されます。
衣装も真っ白。死の暗く陰鬱なイメージとは正反対。
華やかな宮廷生活と孤独。
ここにウィーンのイメージも重なります。
花の都、ワルツの軽快で華やかな印象の一方で、
ペストの記憶も新しく「死」が息をひそめているような影もあります。
単純ではない、表と裏の二面性を見せるのもこのミュージカルが人気の理由でしょう。
人気があるのは理由がある
ミュージカル『エリザベート』が人気がある理由の一端がわかったでしょうか?
作品に魅力があるから何度も再演を重ねられ、人気の俳優さんがキャスティングされています。
役替わりがあるので組み合わせが無限…チケットが取れない!という事態になっているのですね。
ウィーン版を見たことないという人はぜひ、ウィーン版もチェックしてください。
より作品の魅力が分かると思います。
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