【感想】ミュージカル『エリザベート』(2022)シェーンブルン宮殿コンサート

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ミュージカル『エリザベート』(2022)シェーンブルン宮殿コンサート

概要

  • 126 分
  • 発売日 ‏ : ‎ 2023/1/20


脚本&作詞:ミヒャエル・クンツェ
作曲:シルヴェスター・リーヴァイ

エリザベート(オーストリア皇妃)…マヤ・ハクフォート
シシィ(エリザベートの少女時代)…アブラ・アラウィ
トート(黄泉の帝王)…マーク・ザイベルト
ルイジ・ルキーニ(エリザベ―ト暗殺者)…ダフィット・ヤーコプス
フランツ・ヨーゼフ(オーストリア皇帝)…アンドレ・バウアー
ゾフィー(皇太后 エリザベートの姑)…ダニエラ・ツィーグラー
ルドルフ(皇太子 エリザベートの息子)…ルカス・ペルマン
ルドルフ(少年時代)…フィリップ・グルーバー=ヒルシュブリッヒ
マックス公爵(エリザベートの父)…ハンス・ネーブルング
ルドヴィカ公爵夫人(エリザベートの母)…カチア・ベルク
ヘレネ(エリザベートの姉)…ヴェロニカ・リーヴォ

演出:ギル・メマート
振付:ジモン・アイヒェンベルガー
衣装:ヤン・タックス
照明:ミヒャエル・グルントナー

ウィーン劇場協会管弦楽団
指揮:ミヒャエル・レーマー
映像監督:エルンスト・ノイマイヤー

制作:ORF III(オーストリア放送協会第3チャネル)/VBW(ウィーン劇場協会)
収録:HEY-U! Mediagroup/収録協力:Semmel Concerts
協力:ナクソス

収録:2022年6月30日、7月2日 シェーンブルン宮殿、ウィーン(オーストリア)

収録時間:本編122分+特典映像4分
音声:ドイツ語
PCMステレオ2.0/DTS-HD Master Audio 5.1(ブルーレイ)

字幕:日本語・英語・ドイツ語・フランス語・韓国語

画角:16/9 NTSC All Region

Blu-ray…片面二層ディスク 1080i High Definition

[特典映像]マヤ・ハクフォートの歌う
‘Ich gehör nur mir’ (私は私だけのもの)

Amazonの商品ページより引用

目次

内容

オーストリア•ハプスブルク帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフの妃となり、旧時代な宮廷生活の束縛に苦しみながらも、自由に生きることを望んだ皇后エリザベート。

エリザベートを愛する存在として「死」が登場。彼女の人生を見つめます。

ミヒャエル・クンツェ(作詞・台本)、シルヴェスター・リーヴァイ(作曲)の名コンビによる美しいメロディが印象的なミュージカルの傑作です。

1992年ウィーン初演以来、14カ国、9言語、観客動員数1200万人と世界的にヒット。

日本でも宝塚歌劇団と東宝により上演。何度も再演が重ねられています。

初演から30周年の記念すべき2022年の夏、世界遺産シェーンブルン宮殿を背景に、ミュジーカル・スターによって演じられた野外コンサートの映像が収録されました。

ただのコンサートではない

1992年ウィーンで初演されたミュージカル、エリザベート。

2022年に初演から30年の記念の年を迎えました。

シェーンブルン宮殿で行われた野外コンサートが映像化されています。

衛星放送で配信もされましたし、DVD、Blu-rayにもなっています。

コンサートとはいえ、楽曲は全部歌いますし、全編音楽で構成されたミュージカルなので、

ストーリーを端折ることもありません。

総勢27名の出演者、舞台衣装を身に着けた本格的な演出です。

世界遺産シェーンブルン宮殿の前にステージを組み、オーケストラが後方に、

前でキャストが歌い、踊ります。

ハプスブルク家の居城シェーンブルン宮殿という最高の舞台。

俳優、アンサンブル、オーケストラと相まって、

迫力あるステージが映像化されています。

2024年も6月27~29日の3日間の予定で行われます。

観に行きたい…!

限られた時間なので、なかなか難しい人や、宝塚や東宝版と比べたい人はぜひご堪能下さい。

舞台は世界遺産シェーンブルン宮殿

夕暮れのシェーンブルン宮殿が野外コンサートの会場です。

屋根付きのステージが組まれ、オーケストラが舞台後方に並びます。

中央に階段があって、鉄骨の四角い箱のような装置が中央にあります。

シンプルな舞台装置ですが、これが、きいています。

冒頭ではブランコがぶら下がっていて、少女時代のシシィがブランコに乗ったり、枠がはしごになっていてそこをよじ登ったりします。

1幕の終わりにシシィが登場するシーンではこの枠が肖像画の枠のようにみせます。

野外なので本物の火も使っています。

馬車を使った演出も、野外ならではですね。

レジェンドな俳優陣のパフォーマンス

演じるのは長く役を務めてきたレジェンドな俳優陣。

このメンバーで、映像化されるなんて…!

完全に保存版ですよ。

エリザベートを演じるのは、2人。

少女時代はアブラ・アラウィ。初々しいシシィです。かわいい。

私だけにの途中で、マヤ・ハクフォートに入れ替わります。

56歳のマヤ。もう圧倒的な存在感です。

40代の役者さんだと少女時代のシシィもやっているイメージですが

実年齢を考えると少女時代の違和感をなくすためにダブルキャストにしたのでしょうね。

晩年のエリザベートの演技はまさに圧巻です。

生きることの苦しみや、自分の運命に耐える辛さ。

苦悩する姿がひしひしと伝わってきます。

歌声も圧巻。私だけに の高音も迫力があります。

フランツ・ヨーゼフ役はアンドレ・バウアー。

こちらもベテランの役者さんです。1幕はちょっとおじいちゃん感が出ちゃいますが、

2幕は孤独な皇帝の姿そのもの。

エリザベートと2人の「夜のボート」は

すれ違ったまま年を重ねた熟年夫婦の悲哀が歌声からも表情からも伝わってきます。

トート役マーク・ザイベルトは、スタイル抜群で白のスーツがかっこいい!

恰幅は良くなりましたが美形は健在。

コンサートなので、舞台ほど動き回らない振り付けなのか、

威厳があってよかったです。

日本版での「黄泉の帝王トート閣下」

帝王感というか、中性的で妖艶なトートのイメージがある人も多いかもしれません。

ウィーン版ではトートは単なる概念としての「死」です。

白スーツのマッチョなトートには違和感があるかもしれません。

帝王!という感じはないですが、

こういうものです。

シシィの人生に影のように寄り添う存在です。

「トート」の表現の違いを解説しているので、詳しく知りたい方はこちら↓を読んでください。

ルドルフ役のルカス・ぺルマン。

アイアムフロムオーストリアの主演。

日本公演の際にそのイケメンぶりが話題になったとか。

当時観劇したうちの母がめっちゃかっこよかった!と言ってました。

確かに若い時のルドルフが見たかったかも。

でも歌声は個人的にめちゃ好みでしたね。

美形だし。

本映像ならではの演出

「私だけに」の指揮

演奏はウィーン劇場教会管弦楽団。

初演が行われたアン・デア・ウィーン劇場専属オーケストラとして設立されました。

指揮はミヒャエル・レーマー氏ですが、

「私だけに」は、作曲者のシルヴェスター・リーヴァイ氏がタクトを振ります。

リーヴァイ氏はシェーンブルン宮殿に住んでいるそう。

演奏後、入れ替わって歌い上げたマヤとリーヴァイ氏がハグするシーンは胸アツです。

「愛と死の輪舞」の映像化

宝塚版で追加されたのが「愛と死の輪舞」の楽曲。

その後ウィーン版でも追加されています。

舞台を映像化したDVDには入っていなかったので、

こちらは初めての映像化となります。

トートやシシィがブランコに乗りながら歌ってます。

ブランコが高くて不安定そう…

フラフラするのが心配になりますが、歌声はぶれません。

さすが。

日本版のロマンティックな演出とは違うけれど印象的な場面です。

ウィーン版のお姫様だっこからベッドに戻すのも好きですけど。

エリザベートを理解する

日本版でのエリザベートを見ていて、

エリザベートって単なる綺麗なお姫様なんかではないことに気づきます。

自我を持った一人の女性、というだけでなく、

自己愛の強さとかエゴイストな面とか。

日本語訳にしたときにぼやかされた部分もドイツ語だとかなりはっきりと表現されています。

オーストリアの人にとっては、おとぎ話のお姫様ではないし、

かつてのハプスブルク帝国の皇妃として批判的な視点もあって、

一方で、過ぎ去った過去の帝国の栄光を思い出す存在でもあるようです。

ルキーニの視点というのが近いんだろうなというのがよくわかると思います。

伝説のコンサートを映像で!

そうそうたるメンバーがそろったコンサート。

エリザベートファンは見ておくべきです!

日本版と見比べたい方もぜひ。

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コンサートではなく、舞台を映像化したDVDもあります。

こちらはパソコンでしか再生できませんが、

本場の舞台を見てみたい人には必携です。

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この記事を書いた人

つきねこ(葉山結未)

ミュージカルをきっかけに
皇妃エリザベートに魅せられたネコ。
ドイツ語とドイツ文学を学ぶ。

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